健康|虫歯じゃないのに歯が痛い!歯茎に膿がたまる歯根嚢胞(のうほう)体験談

雑記

こんにちは、フリーランスのちひろです。

本日のテーマは “お口の健康” です。

歯根嚢胞(しこんのうほう)という歯のトラブルをご存知でしょうか?

これは歯の根の先に膿(うみ)がたまって、歯茎のなかで炎症がおきる病気です。

じつは私、数ヶ月まえに歯根嚢胞になっていることが発覚して、2ヶ月をかけて治療しました。

この歯根嚢胞はむし歯よりもやっかいな存在です…!

今回は、ほんとうに二度とごめんだぜ!という感じの歯根嚢胞の治療体験談をご紹介します。

歯根嚢胞(しこんのうほう)の症状とは?

問題の歯根嚢胞ができたのは下の奥歯でした。

この歯は過去におおきいむし歯ができて神経をとる治療をした歯です。

私の例のように、神経をぬいた歯や重度のむし歯の根元に膿がたまるのが歯根嚢胞なのです。

歯根嚢胞になると、人によっては歯茎にしろいプクッとした膿があるのが見えるそうです。

しかし、私の場合は患部の見ためはかんぜんに正常でした。

歯茎の表面に炎症は見られないし歯に穴があいていたわけでもありません。

私がどうして歯根嚢胞に気づいたかというと、ある日とつぜんもうれつな痛みにおそわれたからです。

痛みを感じたのは以下でご紹介するふたつのシーンです。

食べものが歯にはさまったときの痛み

最初に違和感があったのは、食事中でした。

繊維質のものをたべていて、むし歯治療した奥歯とそのとなりの歯のあいだに食べものがはさまったときに痛みを感じることがたびたびありました。

でも激痛ではなく軽度の鈍痛だったのであまり気にしませんでした。

このときの私は歯根嚢胞という病気自体を知らなかったのです。

なんだか食べものがつまって痛いな…。

そんなふうに思うだけでした。

いまなら、この軽度の痛みにもっと敏感になるべきだったとわかります。

ほかの歯間に食べものが詰まっても痛みは感じないからです。

すぐに歯医者へいかなかったせいで、歯根嚢胞は進行しました。

寝ているときにとつぜんの激痛

食べものがはさまったときの違和感を放置しつづけて数ヶ月がたったある日のこと。

いつもどおり夜12時ごろにベットに入って眠りにつきました。

寝つきのいい私はその数分後にはすぐに寝ていたと思います。

すると、その3時間後にするどい痛みで目がさめました。

その痛みは涙がでるほどでした。

あたまや首筋も痛い気がしました。

歯根嚢胞の存在を知らなかった私は “むし歯かな?” と思いました。

でも、鏡で痛い部分を見てみても歯に異常はありません。

そもそも、痛みを感じた箇所は過去にむし歯治療をした歯でした。

かんぜんに被せものをしている状態です。

天然の歯は表出していないので、むし歯になりようがありません

自分でできる応急処置

あまりの激痛にすぐにでも歯医者へいきたかった私ですが、なにしろ深夜なのでいけません。

そのまま寝れそうにもないので “歯 痛み おさえる” と、ネットの検索窓に入力しました。

すると、冷やすといいよ!とか痛みどめを飲むといいよ!という情報を見つけました。

とりいそぎ、冷蔵庫に入っていた缶ビールをほっぺにあてつつ痛みどめを飲んでその場をしのぎました

とにかく痛みの原因をつきとめたかった私は、そのまま検索をつづけました。

その結果、どうやら歯根嚢胞らしいことが分かりました。

それと同時に、かなしい事実を知ることとなります。

残念ながら歯根嚢胞は、自然にはなおりません

さらなる悲報ですが、飲み薬でなおすこともできません。(悲報すぎ)

残された手段はたったひとつ。

歯医者もしくは口腔外科で治療するしかないのです。

歯根嚢胞をまえにして、私たち人間はなんと無力なのでしょうか…。

自分でできる応急処置といえば、せいぜい痛みどめを飲むくらいです。

病院でできる応急処置

痛みが発覚した当時の私はカナダに住んでいました。

さらにコロナ禍ということもあり、なかなか歯医者の予約がとれませんでした。

歯医者の予約がとれたのは痛みを感じてから2週間後でした。

歯医者へ行くまでのあいだ、歯根嚢胞を放置するとどうなるか調べていました。

すると、おそろしい情報ばかりが出てきたのでゲンナリしながら過ごしました。

そして、念願だったはずの歯医者受診時にさらにゲンナリすることになります。

問診と口内チェックの結果、表面的には問題ないとのことでレントゲンとCTを撮りました。

できあがったCT写真を見た医師は、頭をかかえはじめました。

“患者の目のまえで頭をかかえるってことは、かなりひどい状態なんじゃ…!” と思ったのもつかのま、医師はいいました。

ーーーーー

医師「歯の根の先に膿がたまってるねぇ」

私「やっぱりそうですよね、ネットで調べました」(ウザ患者)

医師「この治療はかなりむずしくて複雑だから、私には治せないよ」

私「え?????」(冷や汗)

医師「近々、日本に帰る予定ある?」

私「ありますけど、まだすこし先です」

医師「カナダでこの治療をするなら専門医のところに行かないといけないんだ。治療費も数十万円するから日本でなおしたほうがいいよ

医師「わりと古くからある炎症みたいだから、できるだけはやく治療してね!」

私「あー、そうなんですねー」(テンションだだ下がり)

医師「私ができることは、抗生物質の処方くらいだね」

私「それを飲むと炎症はおさまりますか?」

医師「歯根嚢胞は薬では治せないから、炎症のもとになっている細菌の活動をすこしおさえるくらいだよ」

ーーーーー

私は絶望しました。

カナダの歯医者では結局、抗生物質としてペニシリン系の薬を処方してもらっただけで終了です。

歯根嚢胞の治し方

カナダの歯医者で絶望した私は、帰国予定をはやめて日本で治療をうけることにしました。

ここからは日本の歯医者での治療方法と通院回数、治療にかかる値段をご紹介していきます。

治療方法

日本でも初診時にレントゲンとCTを撮りました。

レントゲン写真を見せてもらったところ、根の先にくろい影がありました。

そこに膿がたまっていたそうです。

この病気をなおすためには、いくつか方法がありますが私は “根管治療” という技術でなおしてもらいました。

被せものもしくは詰めものをはずす

私の場合は被せものをしている歯の根管治療だったので、まずは被せものをはずすことから治療がはじまりました。

このステップはめちゃめちゃかなしかったです。

なぜなら、この被せものは2年前に10万円をかけて作ってもらった高級被せもの

“笑ったときに見える奥歯は銀じゃなくて白がいい!” と、素材にこだわった1本でした。

それがあっけなく、治療器具のウィーン!というドリル音とともに破壊されてしまったのです。

歯根の管をそうじする

むざんにも被せものを破壊されたあとは、歯のなかをきれいにそうじしてもらいます。

歯根には神経や血管がとおっている管(根管)があり、その根管を針のようなほそい器具できれいにします。

炎症の原因となっている細菌を取りのぞくためです。

この作業がまぁ大変そうです。

なぜなら根管は曲がりくねっていたり枝わかれしていたりします。

かなりこまかい技術が必要なんですよね。

じつは、歯根嚢胞は再発率がたかい病気としても有名です。

その原因のひとつに、そうじがすみずみまで行きとどかないことがあげられます。

カナダで「専門医のところに行かないとなおせない」といわれたのも納得です。

根に薬をつめてふたをする

根管のそうじがおわったら消毒薬で内部を殺菌してもらいます。

ふたたび細菌に感染しないように歯根に薬をつめて、最後に被せものをしておしまいです。

治療の開始とともに、むざんにも被せものが破壊されたので治療あとはふたたび被せものを作らねばなりません。

“また10万円かぁ〜” と、ふかいため息をついてしまう瞬間です。

(被せものの見ためにこだわらない場合は、もっとやすい材質で作れます)

通院回数

この治療のやっかいなポイントは一度の治療ではおわらない点です。

私は1本の歯根嚢胞をなおすために6回も通院しました。(白目)

以前、べつの歯でも根管治療をしてもらったことがありますが、そのときも同様の回数がかかりました。

過去の経験では通院の4回目まではひたすら歯根のそうじと消毒をしました。

そして、最後の2回で被せものの型取りと装着をしてようやくフィニッシュです。

奥歯は前歯とくらべて歯根の数がおおいので、すくなくとも4〜5回はかかってしまうんですよね。

歯根嚢胞の治療には根気も時間も必要、というわけです。

治療にかかる値段

最終的な費用は、被せものにお金をかけるかどうかによっておおきく変わります。

被せものの見ためにこだわる場合はトータルで10万円をこえます。

しかし、歯根嚢胞の治療そのものはむし歯をなおす値段と大差ありません。

一例として、私の治療費をご紹介します。

1回目:レントゲン・CT検査+被せもの破壊→¥6,230
2回目:根管治療+歯肉検査→¥2,480
3回目:根管治療→¥1,160
4回目:根幹治療+再レントゲン+消毒→¥2,070
5回目:型取り+被せもの注文→¥128,700
6回目:被せもの装着→¥0

被せものの費用以外はすべて保険適用後の金額です。

ちなみに、日本にも根管治療の専門医がいます。

そちらの先生に治療をお願いすれば、もっとすくない通院数でおわる可能性があります。

ただし、専門医のもとでは自費治療になるため金額はたかくつきます。

歯根嚢胞の予防方法

私は思いました。

“もうぜったいに歯根嚢胞になりたくない!” と。

歯医者になんども通院しないといけない精神的負担はおおきいです。

そこで先生に歯根嚢胞の予防方法を聞いてみました。

先生いわく、人工物をいれている歯(治療ずみの歯)はどうしても細菌がはいりやすいそうです。

ですから、ある意味、歯根嚢胞を発症するのは仕方がないとのことでした。

私たちにできることがあるとすれば、口内を清潔にたもつことくらいです。

また、「人工物をいれないといけないほどおおきなむし歯をつくらないのが大原則」ともいわれました。

あとがき

歯根嚢胞は炎症レベルが重度になるまで自覚症状がないケースもあります。

ある日とつぜん激痛におそわれて歯医者さんに見てもらったら、“じつは古くからある炎症だった” ということがだれにでも起こりえます。

日ごろからお口のなかを清潔にたもつよう意識しつつ、定期的に歯医者で検査してもらうのも大切ですね。

先生におしえてもらったむし歯対策については、こちらをご覧ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました