こんにちは、フリーランスのちひろです。
本日のテーマは “日本語教師” です。
私は現在、オンラインで外国人に日本語を教えています。
生徒が日本語上級者の場合、レッスン内容は会話練習ということでフリートークになることもあります。
じつは、このフリートークレッスンを苦手としている先生がおおいんですよね。
相手が口数のすくない生徒だった場合、すぐにネタ切れしてしまうからです。
ネタ切れするとレッスン中に沈黙がおとずれ、気まずい空気が流れます。
そんな最悪の状況になるのをふせぐために、過去記事では日本語中・上級者のレッスンでつかえるトピックリストをご紹介しました。
今回は過去記事でシェアしきれなかった質問案をまとめていきます。
質問案といってもほぼ無限にあるんですよね。
ですので、前回とおなじく対象をしぼって共有していきます。
こちらでシェアするのは、外国人にとってはごく一般的なベジタリアンもしくはビーガンの生徒むけのトピックです。
日本語初級者につかえる質問リストをお探しのかたは別記事をご覧ください。
ベジタリアンとビーガンのちがいとは?
まずは、ベジタリアンとビーガンのちがいについておさらいしておきましょう。
ベジタリアンは菜食主義者ともいわれます。
肉や魚を食べずに、野菜やくだもの、豆、きのこなどを口にします。
じつは菜食主義者とひとくちに言っても、食べるものと食べないものの内容がちがうんですよね。
たとえば、肉や魚は食べないけど乳製品やたまごは食べるベジタリアンがいます。
そうかと思えば、肉や魚だけでなく牛乳やたまご、ハチミツも口にしない人もいるのです。
これがビーガンとよばれる人たちです。
ベジタリアンのなかでも食べるものがもっとも限られている人のことをビーガンといいます。
ベジタリアンもしくはビーガンの生徒への質問案
ここからはベジタリアンもしくはビーガンの生徒との会話でつかえる質問案をご紹介していきます。
ベジタリアン/ビーガンになったきっかけは?
生徒が菜食主義者だとわかったら、そのきっかけとなったできごとを聞いてみましょう。
・なにがきっかけでベジタリアンになったの?
・どうしてビーガン生活をはじめたの?
私の生徒は動物愛護のために肉や魚をさけているのが大半です。
とくに田舎や牧場のちかくに住んでいた生徒に菜食主義者がおおい傾向にあります。
彼らに話を聞いてみると、口をそろえてこういいます。
「子どものときに友達だと思っていたブタが殺されたのがトラウマなんだ」
「いっしょに牧場であそんでいたウシがステーキとして目のまえにあると知ったときショックを受けたんだ」
世界的に見ても、“動物のいのちを守りたい” という観点から菜食主義をつらぬく人がたくさんいるんですよね。
ビーガンが牛乳やたまごを口にしない理由もここにあります。
彼らには “人間の食べものを生産するために飼育されている動物の苦しみを取りのぞきたい” という思いがあるそうです。
ふだん動物園や競馬、革製品は利用する?
動物愛護の観点からビーガンになった人は、動物を利用したサービスもきらう傾向にあります。
たとえば、動物園や競馬は動物をつかったビジネスですよね?
それが動物愛護の精神に反するわけです。
また、カバンや靴などの一部は動物の皮をつかった革製品です。
動物園や競馬をきらうのとおなじ理由で、革製品はぜったいに買わないビーガンも存在しています。
そこでこんな質問ができます。
・ビーガンの思想を取りいれているのは食事だけ?
・動物園や革製品もさけているの?
私はここまで徹底したビーガンにはまだ出会ったことがありません。
しかし、これらの質問をすれば生徒との会話をよりいっそう深められます。
日本で対応メニューを見つけるのは大変?
日本旅行をしたことがあったり、日本に住んでいたりする生徒にはこんな質問をします。
・日本でベジタリアン対応メニューを見つけるのは大変?
・日本旅行中の食べものはどうしていた?
アメリカやカナダのレストランでは、かならずと言っていいほどベジタリアン対応メニューがあります。
欧米ではベジタリアンはめずらしくないんですよね。
一方、日本ではまだまだレアケースです。
「日本の居酒屋で食べられたのはサラダと枝豆、豆腐だけだね」
「やきにく店ではひたすら野菜を焼いていたよ」
このように、日本では食べられるものを探すのに苦労するという話をよく聞きます。
自炊するときはどんなものをつくる?
なんの知識もなくベジタリアンやビーガンになると健康を害する危険性があります。
肉類を口にしないので、とくにタンパク質が不足しやすいんですよね。
ですから、栄養がかたよらないように日常的に調理を工夫しなければなりません。
菜食主義の生徒にはこんな質問をしてみるのもいいでしょう。
・自炊するときは栄養面でどんなことに気をつけているの?
・お気に入りのベジタリアン料理はある?それはどんな食べもの?
質問をするまえから、“おそらくタンパク質を摂れるように工夫しているのだろうな” という想像はできます。
それでも私はあえて聞いています。
予想外の答えが返ってくることもありますし、なにより生徒が日本語を練習するいい機会になるからです。
お肉や魚を食べたくなる瞬間はない?
一般的なベジタリアンやビーガンの人は、肉や魚の味がきらいで菜食主義者になったわけではありません。
ですから、食材としてのおいしさは理解しています。
それをふまえて私はこんな質問をします。
・たまにお肉や魚を食べたくなる瞬間はないの?
生徒いわく、通常食から菜食に切りかえるタイミングがいちばん大変だったようです。
2〜3日も野菜や豆だけの生活をつづけると、やはりお肉が恋しくなるそうです。
そこで追加質問として、「どうやってお肉食べたい欲をおさえたの?」と聞きます。
“自制心と気合でなんとかした” という生徒もいればベジミート(大豆肉)を活用したという生徒もいて、なかなかおもしろい回答が聞けます。
そのほかのランダム質問
以下に、そのほかのランダムな質問をまとめておきます。
・家族もベジタリアン/ビーガンなの?
・自分の子どもにも菜食主義の思想を伝えたい?
・ベジタリアンに対応しているお気にいりレストランはある?
・友達や仕事仲間と食事をするときに困った経験はある?
・食生活を変えてから体質に変化はあった?
・人々がペットとして犬や猫を飼うことについてはどう思う?
あとがき
いかがでしたか?
会話のなかで生徒がベジタリアンもしくはビーガンだと発覚したときは、今回ご紹介した質問案もぜひつかってみてくださいね。
ただし、ひとつだけ注意点があります。
個人の趣向ではなく宗教上の理由で、菜食主義をつらぬいている人もいます。
生徒がベジタリアンになった背景にはプライベートな理由がひそんでいる可能性もあるのです。
以前もご紹介しましたがプライベートなトピックには注意が必要です。
ふみこんだ質問をするときはこちらも参考にしていただきながらフリートークを進めるようにしてくださいね。
ほかのトピックリストは以下にまとめました。
未読のかたはぜひご覧ください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント