こんにちは、フリーランスのちひろです。
私は現在、オンライン日本語教師として活動しています。
資格なしですが初月は10万円、2ヶ月目は15万円、3ヶ月目には20万円を稼ぎました。
当初は「数万円だけでも稼げたらいいな…」という気持ちではじめたので、この好調ぶりにはすこしおどろきです。
とはいえ、楽をして稼いでいるわけではなくそれなりに独学で勉強しました。
生徒たちは、大きく分けて3つの目的で日本語を勉強しています。
この3つのポイントを押さえておけば、無資格でも安定して稼げる可能性があります。
そこで今回は、生徒が日本語を学習する目的をご紹介します。
さらに、日本語を教えるための勉強内容とおすすめ教材もシェアしていきます。
生徒たちが日本語を勉強する目的
生徒が日本語を勉強する目的はおおまかに3つあります。
②能力試験にむけた勉強
③日本語会話力の向上
日本語基礎文法の習得
日本語をマスターするためには基礎文法の勉強が欠かせません。
単語だけ知っていても、文の構造や品詞の活用が分からなければ正確な表現ができないからです。
私がかかえている生徒の約50%は基礎文法に焦点をあてて勉強しています。
能力試験にむけた勉強
英語学習者むけの英検やTOEICのように、日本語にも検定試験があります。
JLPT(日本語能力試験)とよばれるものです。
レベルは5段階(N5〜N1)あり、最上級のN1は日本人ですら悩んでしまうような問題が出題されます。
割合としては約25%の生徒がJLPT合格を目標に勉強しています。
日本語会話力の向上
残りの25%の生徒は日本語での会話力向上をめざして勉強しています。
彼らはある程度の文法はマスターしていて、日本への移住や仕事のために学習している層です。
授業では生徒のレベルにあわせて趣味や日々の出来事、時事問題について話す練習をします。
文法よりもスピーキングやリスニングに集中しているのが特徴です。
独学&資格なしで日本語教師になるために勉強すべきこと
ここからは生徒の目的別に、教師が勉強すべきことをご紹介していきます。
日本語基礎文法の勉強
資格がない日本語教師は「さぁ授業を始めよう!」と意気込んでも、はじめはなにをどうすればいいのかわかりませんよね。
そんな時にたよりになるのは、日本語学習者むけに作られたテキストです。
この記事の冒頭で “それなりに独学で勉強した” とえらそうに言いましたが、じつはテキストを読んだだけです。(小声)
授業を進めるときもテキストに沿うのが一番かんたんで効率的だったりもします。
テキストにたよるメリットは2つあります。
それは、文法の論理的な教えかたがわかる点とレッスンプランを立てやすくなる点です。
それぞれ以下で解説していきます。
日本語文法は論理的に教えよう!
資格なしの私はまず、文法を論理的に教えるのに苦労しました。
たとえば、私たち日本人はほぼ無意識で動詞を活用しています。
「食べる→食べた」「聞く→聞いた」と過去形にするときに、わざわざ頭で考えませんよね?
しかし、日本語学習者からするとこの活用は意味不明です。
生徒からはかならず以下のような質問があがります。
“「食べる」を過去形にするときは、最後の一文字「る」が「た」に変わっただけなのに、「聞く」のときはどうして「く」が「いた」になるの? ”
じつは、日本語の動詞には複数のグループがあり、それによって活用方法がきまります。
その分類とルールさえ知っていれば、日本語学習者に論理的な説明ができるのです。
けれども、私たちは自分が日本語を話す時はこのルールを意識していません。
あらためて「どうしてそんな変化になるの?」と聞かれると説明できない理由はそこにあります。
そんなときに私たちを助けてくれるのがテキスト、というワケです。
テキストにはそれらのグループ分けや活用方法、例外までこまかく記載されています。
かりにテキストがなくてうまく説明できない場合は生徒に「がんばって覚えて!」と言うこともできます。
しかし、高確率で生徒離れにつながります。
熱心に勉強している生徒はやはり明確な説明をもとめてきます。
そんな彼らに論理的な説明をしてあげると、生徒の表情がパッと明るくなるのがわかります。
レッスンプランを立てよう!
文法は教えかただけでなく教える順番も重要です。
いきなり高度な文法を教えると、生徒が「日本語むずかしすぎ…!自分には無理だ…!」と感じてしまいます。
その結果、貴重な生徒をうしなうことになります。
とはいえ、資格なしの教師は一般的な指導の流れを把握していません。
ですから、生徒になにから教えればいいかわからないのです。
そこでふたたびテキストが役立ちます。
英語のテキストでもそうですが、まずはbe動詞から始まって次に過去形や未来形、不定詞、関係代名詞…と徐々に難易度があがっていきます。
日本語を教えるときもテキストの流れにそって少しずつレベルをあげていくのがおすすめです。
そうすると、生徒も授業についてきやすいです。
授業で使えるおすすめテキスト
私は『初級日本語げんき』というテキストを使用しています。
このテキストが良いのは、文法のポイントだけでなく英語併記もある点です。
とくに、日本語初級レベルの生徒には英語もおりまぜて説明する必要があります。
英語に自信がない人は、テキスト内の英文を参照すれば一発解決です。
また、授業中は生徒から「例文や会話例を教えてほしい!」と言われる機会もおおいです。
しかし、テキストなしではなかなかパッといい例が思いつきません。
私はそんな時にもテキスト内から例文を引っぱってきて生徒に紹介しています。
ちなみに、『初級日本語げんき』はカナダにある日本語語学学校でも使用されていました。
独学で日本語を勉強しているアメリカ人・カナダ人の友人もこのテキストを使っています。
海外では根強い人気があるテキストといえます。
JLPT(日本語能力試験)にむけた勉強
お次は、JLPTにかかわる勉強についてご紹介します。
授業内容はおもにテスト対策になります。
私の場合はランダムに問題をだして生徒に回答してもらっています。
そのなかで生徒が間違って理解している文法があれば、その単元にもどって復習していく流れです。
ここでも私はテキストに頼ります。
なにしろ無資格なのでテキストなしではやっていけません。
教師になったばかりの頃はどんなテキストが良いかも分かりませんでした。
私は恥をしのんで、JLPTにむけて勉強している生徒に「どんなテキスト使ってるん〜?」とドストレートに聞きました。(恥)
すると100%の生徒が「新完全マスターシリーズを使っているよ!」と教えてくれました。
このテキストはN5〜N1レベルの展開があり、それぞれの生徒のレベルに合わせて使いわけます。
また、JLPTは文法だけでなく読解や聴解能力も問われます。
『新完全マスターシリーズ』はそれらの設問に特化したテキストもあります。
生徒からおすすめテキストを聞かれた場合は、そちらを案内するといいでしょう。
日本語会話力を上げる勉強
最後は日本語会話力を上げるための勉強です。
正直、この分野にかんしては独学というより事前準備が重要です。
会話練習の授業ではテキストを使いません。
教師側から積極的に話題を提供して、話をもりあげていきます。
生徒によっては口数が少ないので、話題が尽きてしまうと気まずい沈黙空間ができあがります。
ですから、私はあらかじめトピックリストを用意しています。
日本語初級レベルの生徒むけリストはこちら
日本語中級〜上級レベルむけリストはこちら
あとがき
私が日本語教師の仕事をはじめたばかりの頃は、テキストを使って授業することすら思いつきませんでした。
ですが、数人の生徒と授業をしていくうちにテキストをもとにレッスン展開すれば楽なことに気づきました。
教師は通常、授業時間外につぎのレッスン準備をする必要があります。
そんなときはやはり、テキストがあると便利です。
テキストをもとに授業をすれば複雑な準備が不要になるからです。
1冊数千円のテキストを買うのは気がひけるかもしれませんが、これがあればムダな残業時間をへらせます。
浮いた時間でレッスン数をふやせば日給があがります。
また、質のたかい授業ができるので生徒がたくさん集まり、結果として収入アップにつながります。
記事内でご紹介したテキストは以下にまとめておきます。
『新刊全マスターシリーズ』はレベルごとにテキストが分かれているので、生徒さんのレベルに応じて変えてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
コメント