こんにちは、フリーランスのちひろです。
私は現在、オンライン日本語教師として活動しています。
これまでに200人以上の生徒とレッスンをしました。
日本語教師になるまえは「日本語を勉強しているのはアニメやマンガ好きのオタクばかりなんだろうな」と考えていました。(偏見)
生徒たちによるとまわりからも「日本語を学んでいるってことは、やっぱりアニメが好きなの?」と聞かれるそうです。
しかし、実際に彼らと話してみるとまったくアニメに興味がない外国人がほとんどであると分かりました。
むしろいつもオタクだと思われるのが気にくわない様子です。
そこで今回は彼らの名誉をばんかいすべく(?)、外国人が日本語を学ぶさまざまな理由をまとめました。
外国人が日本語を勉強する5つの理由
外国人が日本語を学ぶ理由としてよく聞くのはぜんぶで5つです。
以下でひとつずつご紹介していきます。
視野を広げるため
ある生徒はこのような言葉を残しています。
“ぼくは日本人の考えかたを知るために日本語を勉強している”
彼いわく、言葉の勉強をとおしてその言葉をつかっている人々の考えかたまで学べるそうです。
そこに言語学習の魅力があるといいます。
たとえば、過去記事でもご紹介しましたが、日本語の特徴として表現のゆたかさや敬語があげられます。
日本人はオノマトペ(雨がザアザアふる、シトシトふる)や慣用句(耳にタコができる、道草を食う)を使いこなして、こまかな描写をします。
また、目上の人をたてるために尊敬語や謙譲語も使用します。
これら日本人独特の感性を気にいった生徒はひとりだけではありません。
私たちと同じ物の見かたをしたいがために、日本語を勉強している外国人が一定数いるのです。
お金持ちの自己啓発
生徒に「なんの仕事をしているの?」と聞いてみると、ダントツで層があつい職業があります。
なんだと思いますか?(突然のクイズ)
答えは投資家です。
株だけでなく不動産で不労所得をえている人もいます。
彼らは一般的な学生やサラリーマンより、時間もお金も自由に使えます。
そこで、自己啓発を目的とした言語学習にたどりついたそうです。
日本語は数ある言語のなかでもとくにむずかしいといわれています。
自由な時間がたっぷりある彼らは、あえて難易度がたかい言語に挑戦したくて日本語をえらんだそうです。
なかには日本語を習得して大阪のマンションを購入し、日本の物件で収益をあげているツワモノまでいます。
日本に移住するため
将来、日本へ移住するために勉強している生徒も全体の20%ほどにのぼります。
大学生のうちに日本へ留学したい学生がおおいかと思いきや、米軍に所属しているアメリカ人も多数です。
彼らは日本国内にある米軍基地に派遣される予定で、「その日がくるまでに日本語をマスターしたい!」という目標を持って勉強しています。
また米軍の生徒と同じくらいJETプログラムの参加者もおおいです。
JETプログラムとは外国語教育と国際交流を発展させるための事業です。
この参加者は日本の自治体や学校に配置され、日本での外国語教育にたずさわることになります。
プログラムへの参加条件として、日本語能力は必須ではありません。
しかし、日本に入国したあとは周囲の人と自力でコミュニケーションを取らなければいけません。
そのような理由から、プログラムの参加者は自主的に日本語を勉強しています。
日本旅行にいくため
日本に移住とまではいかなくても、旅行のために日本語を勉強している生徒もたくさんいます。
旅行のときに、自分の言葉で日本人とコミュニケーションを取れるように彼らは日本語を学んでいるのです。
外国人にはとにかく日本の食べものが人気です。
彼らはラーメンやお寿司、やきとりを日本で食べることを夢みています。
一時期は、日本の観光地として秋葉原の名前がよくあがっていましたよね。
ですが最近は、外国人の口からこの地名を聞く機会がさっぱりなくなりました。
そのかわり、「大阪でたこ焼きを食べたい」とか「福岡でラーメンを食べたい」というセリフを聞くようになりました。
私からすると「え!?それだけでいいの?」と思ってしまいますが、それだけで十分だそうです。
いまとなっては、“おいしい料理をもとめて日本へ行く” というのもぜんぜんありえる話です。
日本人の友達をつくるため
海外在住だけでなく、すでに日本に住んでいる外国人からもレッスンの申しこみが入ります。
彼らは日本人の友達をつくるのに苦労していると言います。
なぜなら、日本に住んでいても思うように日本語が上達せずに言葉の壁になやまされているからです。
日々の買いものくらいなら上級日本語が使えなくても問題ないでしょう。
しかし、まわりの人と交友関係を深めるとなるとある程度の日本語力がもとめられます。
私もカナダに住んで実感しましたが、海外にいるからといって勝手に言語力がのびるわけではありません。
移住したあとも勉強をつづけなければならないのです。
生徒たちもそのことを理解しているため、日本に住んでいるにもかかわらず学習を継続しています。
あとがき
生徒たちが周囲に「日本語を勉強しているんだ!」というと、かならずと言っていいほどこう聞かれるそうです。
「日本のアニメやマンガが好きなの?」
私もどちらかというと、この類の質問をしてしまうタイプでした。
しかし、彼らは「どうせ君もオタクなんでしょ?」と言われているようで、いい気がしないそうです。
けっしてオタクがダメなものという意味ではありませんが、一方的に決めつけられるのはたしかに不快ですよね。
今回ご紹介したように、外国人が日本語を勉強する理由はさまざまです。
どのような理由でも、習得にかなり苦労するといわれている日本語を学んでいる彼らにはいつも刺激をもらっています。
外国人にとって日本語学習がむずかしい理由はこちらにまとめました。
未読のかたはぜひご覧ください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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