こんにちは、フリーランスのちひろです。
本日もオンライン日本語教師の仕事についてご紹介していきます。
いまは “italki(アイトーキ)” というプラットフォームを利用しています。
過去の記事では、無資格の私でも月に20万円稼げるという話をしました。
オンライン日本語教師として安定して稼ぐためには、固定生徒(自分の授業を定期的に受けてくれる生徒)の獲得が欠かせません。
今回の記事では、生徒に授業をリピートしてもらうために私が意識している教え方についてシェアします。
結論からお伝えすると、独自の教え方を貫くのではなく生徒に合わせて授業の進め方を調整しています。
それではさっそく、詳細をみていきましょう!
italkiで日本語を教えるときは生徒の要望に合わせる
日本語教師はその職業柄、生真面目だったり使命感が強い人が多いのではないかと思います。
そんな人がついついやってしまうのが “一般論や正確性を生徒に押し付けすぎてしまう” 教え方です。
生徒によってはそれを窮屈だと感じてしまうため、私は避けるようにしています。
具体例を交えて見ていきましょう。
ひらがなから教えたい教師 vs ローマ字で学びたい生徒
日本語は「あいうえお」といった基本の50音に加えて、濁音「がぎぐげご」などを含む100程度の音で構成されており、これらを習得して初めて日本語の読み書きができます。
そこで私は、日本語学習が初心者の生徒に対して、これらの音を教えることから始めます。
「あ」はローマ字で書くなら「a」で、「か」は「ka」で…というように、ひらがなをローマ字に変換してまずは日本語の音を知ってもらうのです。
ところが、日本語の識字は英語話者にとって難しく、いきなり挫折する生徒がいます。
なぜなら、彼らが普段使っているローマ字とは完全に別物だからです。
例えば、英語話者がフランス語を学ぶのは、日本語学習と比較するとハードルは低いでしょう。
フランス語「ボンジュール(おはよう)」のスペルは「Bonjour」ですが、普段、ローマ字を使用している人であればなんとなく読み方が分かります。
一方、「ぼんじゅーる」という日本の文字を見ても、どう読むかをローマ字の知識だけで推測するのは不可能です。
ですから、生徒たちはゼロから識字練習を始めることになるので、ひらがなを識別できるようになるまで時間がかかります。
ひらがなが終わったと思えば、カタカナ、漢字とまだまだ識字訓練は続きます。
授業外でも相当な努力をせねばなりません。
そこで、「識字は後回しにしてローマ字で日本語を学びたい」と言う生徒が出てきます。
それはつまり、本来なら “Good morning=「おはよう」” と教わるところを、“Good morning=「ohayou」” と教えてほしい生徒がいるということです。
生徒が日本旅行のために勉強している場合は特に、識字よりも先に話せるようになることを希望しているケースが多いように思います。
ローマ字で教えることが有資格の日本語教師界で良しとされるかどうかは分かりませんが、私はローマ字で学びたがっている生徒にはローマ字で教えています。
他方で、仕事や日本移住、漫画の読解などを学習目的にしている生徒は識字を避けては通れません。
私がこの仕事を始めたばかりの頃は、「どの生徒にも日本語を完全にマスターしてもらいたい!」という気持ちから、ローマ字で日本語を教えるなんて邪道だと考えていました。
けれども、識字に興味がないのに強要する行為は生徒離れに繋がります。
細かく訂正したい教師 vs 会話のテンポを重視している生徒
日本語レベルが中上級の生徒とレッスンする場合は、日常会話練習をメインに授業を展開しています。
仕事や趣味、日々の出来事などについて日本語だけで会話します。
その会話内で生徒が間違った語彙や文法を使用している時に、指摘するのが私の役割です。
生徒の間違いを正す際に知っておくべきなのは、指摘が多すぎると生徒が上達を感じられずモチベーション低下につながることでしょう。
会話中に指摘を挟むことで会話の流れが止まってしまい、生徒が「自分は日本語で会話できている」という自信も持ちにくくなります。
当たり前ですが、モチベーションが低下すると生徒は日本語学習をやめてしまいます。
そこで、私が生徒の誤りを指摘する時に意識しているのが以下のポイントです。
ポイントその1:正確性を追及しすぎない
例えば、文法的に正しい「昨日は雨が降った」という文章があるとして、生徒がそれを「昨日、雨降った」と言った場合はどうでしょうか。
“「は」や「が」が抜けてるよ!” と指摘したくなりますが、冷静に考えてみると「昨日、雨降った」と助詞抜きで発言するのは日常茶飯事です。by 生粋の関西人
生徒が日本語能力試験合格を目標としている場合は別ですが、日常会話の上達を希望している生徒ならいったんスルーして「雨はたくさん降った?」と質問を重ねる方がスムーズな会話練習になります。
違う例では、「犯罪を犯す」「後で後悔する」と生徒が言った時、“「罪を犯す」「後悔する」じゃないと変だよ!” と指摘するべきでしょうか。
仮に生徒が「犯罪を犯す」と言ったとしても意味は通じます。
日本語ネイティブの私達ですら時々「犯罪を犯す」と表現するかもしれません。
日常会話の中では我々日本人も正確な表現を使えていないことが多々あるのです。
そんな背景もあり、生徒が細かな訂正を希望していない場合は、正確性の追求よりも会話テンポを重視する方が喜んでもらえます。
ポイントその2:指摘するタイミングを減らす
個人的には、生徒に誤りを指摘する前に引き続き観察する姿勢も大切だと感じます。
生徒のミスを発見したら、彼らに間違った日本語が定着する前に、すぐ指摘してあげるのは良いことです。
しかし、細かく指摘する度に会話の流れが止まるデメリットがあります。
そこで私は、会話のテンポを守りたい時は、生徒の誤りを授業の最後にまとめて指摘するようにしています。
具体的には、生徒との会話練習中に気づいた日本語の誤使用をメモします。
また、メモを取らなくても会話を続けていると、動詞の活用が不正確だったり助詞が抜けやすかったりするなど生徒の弱点が見えてきます。
それらをレッスンのフィードバックとして授業の終わりに伝えてあげると、会話中のテンポを維持しつつも生徒の日本語能力を上げられます。
特に助詞の抜けは一時的なミスである場合も多いです。
「今の文章、助詞が抜けていたな」と思っても、次の文章以降からはしっかりと助詞を使用しているケースがあったりします。
ですから、生徒の発言全体を通して間違った形で定着してしまっているのか、それとも突発的に言い間違えただけなのかを分析すべきでしょう。
生徒側の気持ちとしては誤りを指摘される回数が少ないと、日本語で会話する楽しさを実感しながら練習でき、「もっと話したい!」という気持ちを育むメリットがあります。
あとがき
オンライン日本語教師は、生徒の要望に合わせて教え方や授業展開を調整できるので固定生徒を獲得しやすいでしょう。
なぜなら、生徒にとっては自分好みにカスタマイズしたレッスンを受けられるメリットがあるからです。
教え方を自由に調整できると言っても、生徒は私が教えた日本語が正しいと考えてそのまま丸暗記するので、教える内容に関しては “正しい日本語” であることは大前提です。
教師になるための独学での勉強内容とおすすめテキストは別記事にまとめました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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