こんにちは、フリーランスのちひろです。
突然ですが、「海外の接客は適当だ!」なんて話を聞いたことはあるでしょうか?
ちまたには「日本のサービス最高!海外の接客は雑すぎる…」という意見があり、今回の記事ではその点について掘り下げていきます。
私も2年弱カナダに住んで海外の接客を受けましたが、たしかに日本のサービスとは違うと感じました。
けれど、それは接客が適当というよりも日本のような “お客さまは神さま” 精神がないだけだと言えるように思います。
以下では私がカナダで受けた3つの接客例とともに、海外でのサービスの様子をおとどけします。
「海外と日本の接客でどんな違いがあるの?」と疑問に思う方の参考になればうれしいです。
それではさっそく、詳細をみていきましょう!
ブラジリアンワックス店での接客
まずは、ブラジリアンワックス店で受けた接客例です。
ブラジリアンワックスは初耳だよ!というかたのためにお伝えしておくと、これはいわゆるアンダーヘアの脱毛を指す言葉です。
“デリケートゾーンも脱毛して全身つるつるにするぞ!” と意気込んでいる私は、カナダでブラジリアンワックスに挑戦しました。
このワックス脱毛は、粘着質のゴムボールのようなものを毛の部分に当て、毛をからめたところで一気に引きはがす手法です。
デリケートゾーンを施術者のお姉さんに見られる恥ずかしさはまったくありませんが(ちょっとは恥ずかしがってくれ)、これがまぁ痛くて大変です。
体毛の中でもとくに濃くて太い毛を一気に引きぬくので「うぐぐぐぐ…」と変な声が漏れ出てしまうくらい激痛です。
いかに痛みを軽減して毛をからめ取るか、どれだけ優しい言葉をかけられるか、これらは施術者の力量にかかっています。
日本ならばサロンのお姉さんは優しい手さばきで「ごめんなさいね〜!痛いですよね?ちょっと休憩しますか?」と、こちらの様子を気にかけながら接客してくれます。
やはりブラジリアンワックスは施術者の手厚いサポートあってこそ、苦痛を乗り越えられるってもんです。
「だから頼みますよ、お姉さん!」と不安とドキドキをかかえたまま、私はカナダのブラジリアンワックス店に入店しました。
問診もそこそこにさっそく脱毛開始!
施術自体は5分もかからずスピーディーに終わりました。
肝心のお姉さんの接客はというと…
“愛想もクソもない”
これに尽きます。
日本のサロンと違い、カナダでは容赦なく毛をむしり取られました。
お姉さんの手の動きには一切の迷いがなく、無駄口をたたく隙もないのです。
「こっちはこの道100年なんで!」という貫禄すら感じる手さばきでした。
あまりの苦痛に「痛いです…」と主張しましたが、「動かないで!」と注意されただけで終わりました。
お姉さんがあまりにも非情な感じで毛むしりを続けるので、私も情に訴えるのはムダだと気づき、痛みに耐えることに徹しました。
日本のサロンでの「ごめんなさいね〜!痛いですよね?ちょっと休憩しますか?」という気づかいが、ただただ恋しかったです。
美容院での接客
お次は美容院での接客を見てみましょう!
カナダはチップ制度があるため、良い接客をすればお客さんからチップを多くもらえます。
逆に、接客のクオリティが低いとチップの金額は下がってしまいます。
ですから、チップが発生する場であからさまに雑な接客をされることはないでしょう。
ただし、日本のサービスと比べると “つめが甘い” と感じる人はいるかもしれません。
たとえば、私は美容院でシャンプー台での洗髪後に洋服の背中部分が濡れていることに気づきました。
もちろんカナダ全ての美容院で背中が濡れるわけではありませんが、少なくとも日本ではそんな経験は一度もしませんでした。
おそらく、日本と海外ではお客さんへの気づかいの度合いに差があるのでしょう。
私は日本の美容院での接客に慣れているためカナダで違和感がありましたが、現地のお客さんは背中が濡れても不満に思わないのかもしれません。
今回の例では服がカラー剤で汚れたわけではありませんし、乾きさえすれば元通りです。
ですから、「服濡れたやんけ!どうしてくれんねん!」と騒ぎたてるような問題でもありません。
日本ではあくまでお客さんに気持ちよく帰ってもらうための心配りとして、服が濡れないように気をつけてくれているのでしょう。
外国人友達から「日本の接客はすばらしい!」と称賛される機会が多いのですが、カナダに住んでみてその理由がわかりました。
日本にいる間は当然だと思っていた接客は、日本から出てみると当たり前ではないと気づいたからです。
外国人が日本で接客をうけて「自国ではこんなきめ細かなサービスは受けたことがない!日本最高!」と感動するのも納得できます。
公的サービス窓口での接客
最後は、公的サービスの窓口で受けた接客についてご紹介します。
私はこの日、健康保険に申し込むために窓口へ行きました。
パスポートやビザ、事前に用意した書類を担当者に渡したところ、書類がひとつ足りないことが発覚しました。
ですが、自分のカバンにその不足書類が入っていると分かっていたので、担当者の目の前でガサゴソと書類を探しました。
探すこと数秒…こんなときに限って、なかなか出てこない…。
焦りながらも探し続けていると、しびれを切らした担当者は私にこう言いました。
「時間の無駄だからあっちで探してきて!」
?????
…おいっ!いくらもたついてるからって、時間の無駄は失礼やろ!!(激おこ)
私は自分の耳を疑いました。
分かりますよ?モタモタしててウザいのは分かりますよ?
でも、うしろで他の人が待っている状況でもないし、私は仮にもお客さんなわけです。
それなのに…時間の無駄とは失礼すぎるやろ!!!!(まだ怒ってる)
このときの私は、日本だったら「いいですよ、ゆっくり探してください〜おほほほほ〜」とでも言ってもらえたかな?と空想しました。
冷静に考えてみるとエステサロンや美容院とは違って、このような窓口ではチップ制度はありません。
ですから、各スタッフがお客さんに愛想よく接客したところで稼げるお金は同じです。
ある意味、合理的といえば合理的な働き方なのだろうと妙に納得した自分もいました。
あとがき
カナダの接客からは日本のような “お客さまは神さま” 精神は感じられませんでした。
お客さんからのクレームを恐れている雰囲気もまったくなく、スタッフとお客さんは対等な関係という空気感がありました。
ですから、日本の丁寧な接客に慣れていると、カナダではサービス内容がもの足りない気がしてしまいます。
しかし、自分が接客する側に立つときは必要以上にお客さんにへこへこしなくていいので、日本よりも働きやすかったりします。
なにげない日常生活の中にもこのような違いがひそんでいて、カルチャーショックを受けつつも新しい発見があるカナダ生活なのでした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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